退屈と多忙

暇な人ほど何もしないのはどういう訳だろうと不思議に思っていた。
「なんだか毎日が退屈。なんか面白いことない?」という口癖が本気でないのはわかっていたけれど。

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“退屈な人生”と“忙しい人生”は、実はとても似ているのだということがわかった。
どちらも、「退屈」と「多忙」を隠れみのにして、自分の本当の感情から目をそらしているという点において。そういうふうにしか生きられない自分の無力さに本当は失望しているという点において。
人はおそらく、夢や情熱よりも「虚しさと不安と自信のなさ」の方が、何かにのめり込ませる力になることを、何かを諦めさせる力になっていくことを、うすうす気づいている。

(岡部明美「気づきのノート(副題)」)


この文章に書いてある感覚が、
懐かしくて、つまり今は違うって安心感を得たのは
大人になる、とか成長したってことだろうか。
でもなんとなく、焦らないと置いていかれるのが
世間てものな気がして、
こういう文章を素で書けるひとをとても羨ましいと思いながら、
そうなりきれないし、がつがつしたところを
自分でも痛いくせに丸くできない。いたい。苦しい。


文章を写しながら、
目を逸らし続けるのも才能だと思った。