Chronic Disease Self-Management Program(CDSMP)

研究室全体の研究の流れが、やっとわかってきた。

うちの研究室では、慢性疾患セルフマネジメントプログラムの評価研究が
一つの大きな柱になっている。

CDSMP:
スタンフォード大学医学部・患者教育研究センターで開発された、慢性疾患をもった人たちが、病気とうまく付き合い、肩の力を抜いて日常生活を送ることができるように支援するための教育プログラム。
http://patienteducation.stanford.edu/programs/cdsmp.html


このプログラムの特徴は、異なる慢性疾患をもつ患者が
一緒に受講するということと、リーダーも訓練を受けた慢性疾患患者が務めるという2点だと理解している。


メリットは、
・ 医療従事者は上から目線の優等生的アドバイスを与えがち(らしいの)だが、患者同士なのでそうならない可能性が高い

・ 多様な慢性疾患患者が一緒に参加することで、愚痴が減る

ことらしい。実際受けて、肩の力が抜けた体験をして、それを評価したいという院生が教室全体の2割くらい。とても助けられる。
どうしてそんなに明るいのかしらと。

例えば、
血糖値コントロールが上手くいかなくて倒れたりうずくまらなきゃ
ならないような状況になっても、
その場を軽く和ませる発言ができるのはなんでなんだろうか。
その心の持ちようがCDSMPを受講して得られる効果なら、他の分野でも応用したい。ぜひ。


必然的に、教室内には
「当事者による研究」と「そうじゃない研究」の2種類が生じる。
前者も、訓練すればそれなりに客観性を持たせられるから、
当事者の内面世界を、
医療従事者や支援者が理解する手助けとなるような
研究として実際に役立つ。

後者は、質的研究をする場合にはとても神経を使うよう。
でも客観的にしかなれないつらさはあるものの、
だからこそ、当事者による研究が陥りがちな
視野の狭窄を的確に指摘できる。


昨日は、客観性ってことについて少し話した。
訓練すればできる、と書いたが、どこまで客観的になれるのか。
自己満足じゃ、それこそ仕事にならない。


大好きなおとなりさんは、
「一生乗り越えられないと思うよ。どうしても感情的になる。だから私は(テーマにするのを)やめたもの」
と言っていた。聞こえ方は人それぞれだろうと思うけれど
私はすごく嬉しかった。