秋田の名物なーんだ
今度調査で秋田に行くので
その下調べに何冊か読んだなかの1冊
秋田県でNPO法人「蜘蛛の糸」として
中小企業経営者の自殺防止相談機関をしている方が書いた本。
相談者の事例紹介と自身の倒産体験が中心に書かれています。
事例紹介では、倒産者とその家族の人間模様や内面の変化に注目していて
「どん底から這い上がるしぶとさを、存分に見せ付けられている」ことを伝えるような内容になっています。私には到底実感できることではなく、分からないけれど、きっと書いてある通りなんだろうと思う。作者の倒産当時の日記も載ってます。
倒産がもとで自殺する経営者が多い、という感覚はあるけれど身近ではない。
この本のように、感情的にならずに現場を描写する本は
大学に所属しながら社会を研究しようとする、
経験不足の学生には貴重。
「倒産後の人生で、軽蔑しない友を持つことは、川原で玉石を探し出すより難しい」
これも、きっとそうなんだろうと思う。
「・・・人の上に立つという価値観を捨てた。・・・今でも、ときどき、社長時代のように人の上に立ちたい、という欲望が持ち上がる。そんなときにこの記録を読み返し、夕日の光景を思い浮かべ、価値観がぶれないように自分を修正している」
好感を持った一節。
批判とかするような立場じゃないことを思う本でした。