MPを喰う手法

研究費をいただけたのは、研究の流行にのっているからだった


社会学およびその中の一派である社会福祉学では、今当事者研究が流行っているらしい。当事者研究とは、福祉の対象になる人々自身が、自分らの置かれた状況を記述する研究だ。この手の研究を、支援することを目的とする研究って意味で支援科学と呼ぶこともある。


当事者研究では、コミュニティのメンバーにしか分からないことを外部に知らせることが期待される。今までそんな人たちが現れなかったのは、福祉の対象者が精神障害者生活保護を受ける人、とか、難病患者であり、いわゆる健常人とは何かしら異なっている=劣っていると見做されてきたから。ただ、20年くらい前から当事者目線を取り入れる手法がこつこつ研究されてきてはいたから、今になって当事者研究が注目されるのは自然な流れなのかもしれない。


で。その流行にどんぴしゃだったんだなーあたしの申請書。
4月には相当悩んで周囲に迷惑かけた
思惑通り、審査員の目に留まったんだわ。成功。


ただ、発表するときに研究者の知的好奇心を上手く受け止める/受け流すって精神力使うんじゃないかしら。発表後に懇親会も出ずホテル直行で寝続けるってことが2回続いて思った。


学生のうちは、参って使い物にならないときでも研究室で囲ってもらえる。その間には、できる範囲で勉強でもなんでも続けていて、回復したらまた外に出ればいい。だけど今年で先生退官だし、シェルター探すなり準ずる対処法を早急に身につけんと、この先不安だ。